痛みが繰り返されると記憶強化の働きで「慢性痛」に 

痛みを慢性的に長引かせてしまう原因の一つに「脳の錯覚」というものがあります。痛みとは「傷を負った」という情報が、脳に伝達される流れになっています。

脳の前頭葉の一部で痛みを鎮める指令が出されているため、この活動が低下すると脳が誤作動をおこしてしまい、ケガは治っているにも関わらず、
ずっと痛みを感じたままになったり、ちょっとした刺激でまた痛みをがぶり返してしまうなど、脳が作り出している「幻の痛み」があるということになります。
痛みは脳に記憶されています。何度も痛みが繰り返されれば、痛む部位と脳との間で情報の伝達が頻繁に行われ、痛みの記憶はますます強化されていきます。
また痛みを感じたとき、イライラしていたとか、痛くて不安になったという感情が伴っていれば、そのときの感情も記憶されています。

ということは、何かイライラしたり、不安になったリしたときに同時にそのときの痛みを感じてしまう。「痛みのスパイフル」に陥ってしまうことがあります。
そのように痛みが慢性化してくると、最初は腰の痛みが原因で脳が「痛い」と認識していたのに、だんだん脳が体に痛みを投影させて痛い部位を作り上げてしまうことがあり得るのです。このスパイラルは断ち切らないと慢性痛は残念ながら改善していきません。

逆にいえば「痛みのスパイラル」さえ断ち切れば、慢性痛は改善できるということです。では、どのようにして断ち切ればよいのでしょう。
記憶というのは消すことはできませんが、書き換えることはできます。「痛いと感じたとき、こうしたら、痛みがなくなった」という記憶に書き換えるのです。
つまり、慢性痛は、自分の手で改善することができるということです。